■食が持つ力に気づいて、農業の道へ。
(文・仰木晴香/スロウ88号掲載/とっておきのレシピ、教えてください)
豊かな香りと風味で、料理の幅を広げてくれる植物、ハーブ。体に良いイメージもあるけれど、種類も多く、どれをどう使えば良いのかわからない…と、どこか遠い存在に感じていました。けれどhilltop herbsのちきらさおりさんに出会って、ハーブがグッと身近なものになりました。
石狩の小高い丘の上で、40種類以上のハーブを育てるちきらさん。自らが育てたハーブを使い、商品開発も手がけています。夏にハーブを育て、冬に商品として形にする。それがちきらさんの1年のサイクルです。
ちきらさんが食や農業に対して興味を持ったのは、30歳を過ぎた頃のこと。自分らしさを表現すること」への憧れから札幌のアパレルショップで働いていましたが、過労により体調を崩してしまいます。治療法を探す中で出合ったのが、マクロビオティックでした。「玄米菜食の生活を送ったおかげで、体調がとても良くなりました。それに、世の中の見え方も変わったんです。体の調子が良いと気持ちも楽になって、視野も広がる。暮らしや食べものを変えたことで、日々を楽しく過ごせるようになって。食ってこんなにも力をくれるんだ! って」。食の大切さを実感したちきらさんは、知り合いの伝手で土地を借り、野菜づくりにチャレンジ。土に触れる日々の中で「農業の世界で生きていきたい」という思いを抱くようになります。
現在育てているハーブは約40種類。敷地内のあちこちに植え、そのハーブにとって適切な環境を見極めながら栽培しています。
一方で、すぐに農業の道へと進む決心はつかず、仕事はアパレル関連の業務が中心のまま。悶々とした日々を過ごしていた時、東日本大震災が起こりました。「それで目が覚めました。生きるってどういうことか、真剣に考えたんです。私が一番大切にしたいのは、食べることや植物の世界に触れること。とっくに価値観は変わっているんだから、行動しなくちゃって」。自分が本当にやりたいことに、まっすぐ向き合ったちきらさん。研修期間を経て2015年、石狩で新規就農を果たしました。
少しずつ株が大きくなる多年草は、広いスペースを取って。毎年植える一年草は、トラクターで耕した畑で。そのハーブの個性に合わせた育て方を心がけています。
■ハーブの個性を見極めながら育てていく。
念願だった農家の仕事。しかし、慣れない農作業に体はついていきませんでした。「体調を崩しながら畑に出ていて、違和感がありました。幸せになりたくて 農業を始めたのに、どうしてこんなに苦しいんだろう、と思ったんです」。
そんなちきらさんを助けてくれたのが、ハーブでした。近所のハーバリストが譲ってくれたハーブの苗を育て、ハーブティーにして飲んだところ、体の調子が良くなったのです。ここでも改めて食の力を実感したちきらさん。「ハーブだっ たら、私が経験したことを伝えられるか もしれない」。こうして本格的にハーブの栽培をスタートさせました。
畑仕事のない冬には、オリジナルブレンドづくりなどのワークショップを行うことも。「商品のおかげで、私もたくさんのつながりを得ることができるんです」とにっこり。
ちきらさんいわく、ハーブは「わがまま」な植物。発芽率や成長速度には個体差があり、栽培方法もまだ体系化されていないと言います。たとえ栽培が不安定でも、農業として成立させるならば一定の収量を得ることが必要。ちきらさんは農業で学んできた野菜の栽培技術や知識を応用し、ハーブを育ててきました。
とは言え相手は植物。予測できないことも多く、時には病気になってしまったり、突然育たなくなったりすることもあるそう。しかしちきらさんは「ずっと実験です」と朗らかに笑います。大切にしているのは、一つひとつのハーブの個性を受け止めること。そのハーブにとって適した環境で育て、収穫したハーブはなるべくすべて使う。規格に沿って育てる野菜づくりとは異なる考え方で、ハーブと向き合っています。「マクロビオティックには『一物全体』という、まるごと全体でそのものが成り立っている、という考え方があります。ハーブに関しては、規格外とかこの部分は使えないとか決めずに、個性として捉えて活かしてあげたい」。そう教えてくれました。
■ハーブは日常にきっかけをくれる、「呼び水」の役割。
ハーブをより多くの人に届けるため、調味料やハーブティー用のブレンドの開発にも取り組んできたちきらさん。収穫して乾燥させたハーブは冷暗所に保管し、注文を受けてからその都度ブレンド。商品の劣化を防ぐため、作り置きはしないと言います。ちきらさんのハーブティーは、香りも豊かでしっかりとした味わい。ハーブの本当のおいしさが感じられます。
生み出してきた商品は、どれも使う人にとことん寄り添ったもの。好みで塩分を調整できるようにとあえて塩を加えないで作ったハーブミックス。体調に合わせて選べるハーブティーブレンド。それは、ハーブを気軽に生活に取り入れて、日々を元気に過ごしてほしいという思いから。「ハーブは『呼び水』のような役割があると思うんです。ハーブの香りが漂うと、自然と呼吸が深くなりますよね。体内の巡りが良くなって、感情を司る神経にも影響を及ぼす。そうして心を動かして、私たちが本来持っている健やかさや、忙しい中で忘れてしまう大事なものを呼び起こしてくれるんです」。かつてちきらさん自身がハーブに助けてもらったように、自分が届けるハーブで誰かを支えられたら。そんな願いが込められています。
「Lemongrass Mix」を使って作った、豚と野菜のスープ。ハーブのやさしい香りが広がります。
今回は、料理に使えるハーブミックスとハーブティーブレンドをセットでお届けします。「ハーブはアイデアを広げてくれるもの。日々のクリエイティブを楽しんでもらえたら」とちきらさん。いつもの料理にハーブミックスを加えて、初めてのおいしさを発見したり。ハーブティーで気持ちをリセットさせて、新たなことに挑戦してみたり。ちきらさんのハーブが、何気ない日常に、たくさんのきっかけをもたらしてくれることでしょう。
■セット内容紹介
2つのハーブミックスと、1種類のハーブティーをお届け。ハーブティーは3種類の中からお好きなものをお選びください。
・yauyauスパイスハーブ塩:スパイスのキレのある味わいに、ハーブのやさしい甘さをプラス。深く繊細な味わいです。炒めものやおにぎりに。
・Lemongrass Mix:複雑な風味が料理に奥行きを与えてくれます。肉や魚にマリネして炒めたり、ドレッシングに加えて。
・ハーブティー:飲むシーンをイメージしながら作られたブレンド。どんな人にもそっと寄り添ってくれます。
朝のレモングラス…飲みやすく、すっきりした味わい
日々のセージ…忙しい時に癒しをくれる、やさしい香り
夜のバジル…眠りの質を高める効能があるブレンド
■作り手 hilltop herbs(石狩市)
ちきらさおりさんは2015年に新規就農し、その2年後にハーブ栽培をスタート。はつらつとした人柄で、話しているとこちらまで元気になります。取材時にはハーブティーを振舞ってくれました。
■商品詳細
賞味期限: 製造より1年
原材料:
・yauyauスパイスハーブ塩/塩(フランス産)、ホーリーバジル、クミン、レモングラス、ブラックペッパー、オレガノ、ライムバジル、コリアンダー、カルダモン、フェンネル、タイム
・Lemongrass Mix/レモングラス、ライムバジル、オレガノ、ホーリーバジル、タイム
・朝のレモングラス/レモングラス、ミント、カレンデュラ、レモンバーム、フェンネル
・日々のセージ/セージ、アニスヒソップ、ネトル、コーンフラワー、ヤロウ
・夜のバジル/ホーリーバジル、タイバジル、ダークオパールバジル、シナモンバジル
セット内容(内容量):スパイスハーブ塩(30g)、Lemongrass Mix(4g)、ハーブティー(10g)×各1
■クリックポスト発送(常温)
2セットまで同一の送料でお届けします。
※システム上、1点ごとに送料が加算されます。ご注文後、送料を変更して決済いたします。
■お届けまでの時間目安
ご入金確認後16営業日で発送予定。
■熨斗
対応不可