■耳元をささやかに彩る彫金のアクセサリー
(文・武田愛花/スロウ84号掲載/北のものづくり人)
もこもこの毛並みが可愛らしい羊に、手足を精一杯広げて飛ぶモモンガ。そんな動物の姿を丹精にかたどったアクセサリーを作るのは、彫金作家の安田暖々子さんです。指先ほどの小さな作品を、一つひとつ器用に作り上げています。
幼い頃からものづくりが好きだったという安田さん。高校では美術部に所属し、卒業後も美術系の大学に進学して平面造形を学びました。彫金と出合ったのは、社会人になってからのこと。Web制作会社に就職し、プランナーとして働く中で、「もう一度手を動かしてものを作りたい」という気持ちが強まっていったと言います。
そこで興味を持ったのが、彫金。触れたことがなかったからこそ惹かれるものがあり、教室に通い始めたそうです。それまで「立体造形にはむしろ苦手意識があった」と振り返る安田さんですが、実際に作品を作ってみると、“手触りのあるものづくり”の面白さに夢中になったと話します。
「デザインに関われるので、Web制作もものづくりには違いないと思って就職しました。でも、Webサイトってあまり手触りが感じられなくって。やっぱり、手を動かしてものを作るのが楽しかったんです」。
また、デザイナーや営業、プランナーなどが分業で一つのサイトを作っていくWeb制作に対し、最初から最後まで自分の手で一つのものを作るほうが、自分には向いているとも気づいたそうです。その後も彫金教室に通い続け、地道に技術を身に付けていった安田さん。気がつけば、自然と作家としての道を歩み始めていました。
写真上/研磨、穴あけ加工など、リューターの先端パーツだけでも種類はさまざま。作りたい形に合わせて必要になる道具も多く、譲ってもらったり買い集めたりしながら、少しずつ揃えてきたのだそうです。
安田さん曰く、彫金は「地道な作業」。金属を叩いたり削ったりという作業がイメージされがちですが、それ以前の工程にも多くの時間がかかります。安田さんが取り入れているのは、金属を型に流し込んで成形する「鋳金」という手法です。
まずは原型を作り、量産のためにゴム型を取り、そのゴム型からワックスで複製をいくつも作ります。複製が完成すると鋳造に出し、ようやく金属の形になるのです。
その後も、さらに細かな仕上げが続きます。金属を流し込む際に作る「湯道(ゆみち)」と呼ばれる管を削ったり、ルーターで細部を磨いたり、叩いてパーツを湾曲させたり…。どの工程も一つひとつ根気がいる作業です。
写真上/鋳造したての金属は軟らかいため、硬くしたい部分にヘラを押し当てて締めていきます。
「たくさんやろうと思うと結構な重労働で、作業が終わった後は肩が凝っています(笑)。とにかく地道!」と安田さんは笑いますが、それでも続けられるのは、楽しい瞬間があるからだと話します。
「イメージしたものが形になるのが楽しくって。金属になると、『思っていたよりも良かった』みたいなことがあってすごくうれしいんです」。最初はロウソクのような質感のワックスが、仕上がるときには金属特有の重みと輝きを放ち、まったく別物のようになる。その変化が面白いのだと安田さんは話します。
安田さんの作品には、北海道の動物や植物をモチーフにしたものが多くあります。モチーフそのものの可愛らしさはもちろんのこと、造形的な面白さに惹かれて作り始めることも多いのだとか。
「クマも羊も、ごろっとした塊感に惹かれて、それがうまく出るように作っています。リアルだねと言われることも多いのですが、それなりにデフォルメを意識しているのもポイントです。リアルに作ろうと思えば、もっとできると思うんですけど、それだと工芸品のようになってしまうかなと。作家性ってデフォルメの部分に出てくるものだと思うんです」。
写真上/普段の制作は市内のシェアアトリエ「Bee hive(ビーハイブ)」にて行っています。絵画や木工、金工など、11名の作家が所属しています。
同じ動物を作るとしても、どこを強調してどこを省き、どんな形に落とし込むのか。そのバランスに、作家それぞれの個性がにじみ出るもの。だからこそ、作り手の目を通したデフォルメを大事にしているのだといいます。
今回届けてくれる動物モチーフも、一見リアルな造形ですが、よく見るとさりげなくデフォルメが施されています。キツネのふっくらとした口元や、モモンガの小さな手足など、安田さんのまなざしを通して形づくられたアクセサリーは、どれも心くすぐられる可愛らしさ。手に取って、さまざまな角度からじっくり眺めたくなるアクセサリーです。
■彫金の作り方
�〆犬�原型、右が最終的な完成品です。原型からいくつもの型を取って制作するため、完成品は一回り小さく仕上がります。
��同じ形の作品をいくつも作る場合は、原型からさらにゴム型を作ります。そのゴム型にワックスを流し込むことで、量産用のワックス型ができあがります。鋳造したい作品の数だけ、ワックス型を用意します。
�N仗Г里發里�ワックス型。これらを鋳造に出すと、金属製のパーツとして戻ってきます。鋳造には高価な機材が必要なため、専門の業者に依頼しています。
�っ鯊い�ら戻ってきた作品を仕上げます。鋳造時に石膏の跡がつくため、表面にはざらついた質感が残っているそう。やすりで磨いて滑らかにしていきますが、あえて石膏の風合いを残し、ラフな仕上がりにすることも。
■商品紹介 羊
安田さんが作る動物モチーフの中から、北海道らしい動物をセレクトしました。安田さんもお気に入りだという羊モチーフ。ふんわりとした、やわらかな毛並みが印象的です。
指先ほどの小さなサイズ感で、耳元をささやかに彩ってくれます。イヤリングとピアスから選べます。
専用の箱に入れてお届けします。
■作り手 草原とストーブ 安田暖々子さん(札幌市)
札幌出身。「草原とストーブ」という屋号は、名前にある「暖」の字にちなんで名付けました。幼い頃から目にしてきた北海道の自然や風景の美しさ、動植物をモチーフにして作品にしています。
■商品詳細
商品サイズ:縦1×横1.2cm
商品素材:真鍮
備考:
※手づくり品のため、掲載写真とは異なる場合があります。
■レターパックライト発送(常温)
※8点まで同一の送料でお届けします。
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■お届けまでの時間目安
ご入金確認後7営業日以内に発送予定。
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■熨斗
対応不可