■北海道の海が育んだ、タコのおいしさを全国へ
(文・武田愛花/スロウ82号掲載)
プリプリとした食感と弾力のある歯ごたえ。噛む度にうま味があふれるタコは、北海道を代表する海の幸の一つです。
そんなタコを加工し、全国の食卓に届けているのが、白糠町にある有限会社マルツボ。1963年に創業し、2004年に現在の代表である大坪洋一さんが事業を引き継ぎました。マルツボの工場では朝7時から仕込みが始まります。白糠漁港をはじめ道内各地から届くのは、平均20キロ、時には30キロを超えるミズダコ。仕込み作業は力仕事が中心です。「タコが入荷したら、まず内臓を取り出します。自分の背丈ほどもある大きなタコで、頭も人間の頭より大きいんですよ」と大坪さん。労力を要する作業ですが、タコの内臓は時間が経つと臭みが出てしまうため、鮮度を保つには手早い処理が欠かせません。
写真上/塩揉みした後は、ブラシを使って細かい汚れやぬめりを落としていきます。丁寧かつスピーディーに作業が進められます。
続いて行われるのが塩揉み作業。ドラム缶のように大きな樽にタコと塩を入れて揉み込み、吸盤に詰まった砂や汚れ、ぬめりや臭みを取り除きます。ほど良く水分が抜けることで、ぐにゃぐにゃと軟らかい身が、ぐっと引き締まる効果もあるのだそう。さらに、「ブランチング」と呼ばれる工程にもこだわりがあります。塩揉み後に数十分間ボイルするのが一般的ですが、ブランチングはさっと湯通しするだけ。このひと手間で、表面は締まりつつも内部には瑞々しさが残り、軟らかさと歯ごたえが共存する仕上がりになるのです。
写真上/タコをボイルしている様子。気温によって水温が左右されるため、絶妙な温度管理が大切だそう。
大坪さんは白糠町出身。学生時代はアメリカへ留学をしていましたが、家業を継ぐため帰国しました。
「幼い頃から魚屋の背中を見て育ったので、抵抗はありませんでした」と振り返る大坪さん。今でも自ら現場に立ち、早朝の仕込みをこなします。「昔は鮭やいくらも加工していた時期がありました。包丁仕事はまだまだ負けない自信がありますよ」と笑う姿には、積み上げてきた技術への誇りが感じられます。
一方、水産業界が抱える課題は少なくありません。漁獲量の減少や燃料費・輸送費の高騰に加え、深刻な人手不足が続いています。マルツボでも最年長の従業員は70代。一時期は50代の大坪さんが最も若い社員だったこともあり、技術の継承が大きな課題です。「今は自分より若い従業員が入社してきてくれて、ひとまず安心しています。創業より培ってきた技術や経験を次世代にしっかり引き継ぎ、これからもおいしいタコを全国にお届けしていきたいです」と、意欲に満ちた表情で語ってくれました。
■商品紹介
マルツボ自慢のたこしゃぶセットをお届けします。常温で約1時間で解凍できるお手軽さ。活用の幅が広く、日々の献立に役立ちます。
ミズダコを専用の機械で3mm幅にスライスしました。昆布だしのお湯でしゃぶしゃぶ、刺身などに使えます。ホットプレートで軽く焼いて焼きしゃぶにしても。
ミズダコの足の付け根を強火で炙り、薄く醤油味を付けています。刺身やしゃぶしゃぶはもちろん、ドレッシングをかけてサラダやカルパッチョにもぴったり。
■作り手 マルツボ(白糠町)
タコの頭を使った「マルツボのたこカレー」や、タコに味つけをした「たこわさって喰っ蛸とある?」など、ユニークな商品開発にも取り組んでいます。
■商品詳細
セット内容:うす切北海たこ(170g)x1、北海たこのたたきスライス(150g)x2
賞味期限:製造から3ヵ月
原材料:
・うす切北海たこ/水たこ(北海道産)、食塩
・北海たこのたたきスライス:水たこ(北海道産)、醤油、食塩、水飴混合異性課液糖、醸造酢、米発酵調味料、唐辛子/調味料(アミノ酸等)(一部に小麦・大豆を含む)
■宅急便60サイズ発送(冷凍)
1セットまで同一の送料でお届けします。
※システム上、1点ごとに送料が加算されます。ご注文後、送料を変更して決済いたします。
■お届けまでの時間目安
ご入金確認後5営業日で発送予定。
■熨斗
対応不可