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掻き落としの器 やさしさの杜 動物たち

商品コード : ss-00825
製造元 : 陶の杜
価格 : 8,800円(税込)
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■手作業を感じる、掻き落としの技法

(取材・文/猿渡亜美 スロウ69号掲載)

「掻き落とし(かきおとし)」とは読んで字のごとく、器に色のついた化粧土を塗り、絵柄に沿って模様を掻き落としていく技法です。触ってみるとわかるのですが、絵の部分が浮き上がっていて、周りの白い部分は削られて凸凹しています。大石まさよさんは「自分の窯を持つなら個性が必要」と、屋号をかかげる際に独学でこの技法を身につけました。



ろくろで器の形をつくってから、色化粧をして、半乾きの状態で絵を描いていく。下描きはしません。竹串を使って、迷うことなくスラスラと。ものの数分で線画を描き上げた後、絵の背景となる部分を丹念に削っていきます。これも躊躇うことなく、でも慎重に。絵の周りをすべて削るとなると、当然時間がかかります。小さな皿なら20〜30分ですが、大きな作品は数日を要することも。時間をかけすぎると割れてしまうのが悩みの種。「削りやすい乾き具合があるんです。乾いていなくても、乾きすぎていても駄目」と大石さん。滑らかな曲線を表現できるかどうかは、手を動かすスピードにかかっているのです。



削る作業が完了したら素焼きをして、釉薬をかけて本焼きへ。電気窯の特性で絵はツルリと光り、掻き落とした白い面には凹凸が残ります。掻き落としの器に触れると、人の手による作業の跡が感じられるのです。



絵柄も特徴的な大石さんの作品。動物の声、周りの音や光、空気感を表現しているといいます。ベースにあるのは、子どもの頃によく見た景色。「実家が神社で、神殿の近くにお気に入りの場所があって、座っていると森がよく見えるんです」。リスやキツネなどの動物が暮らす、北海道の神社の森。幼い日の大石さんが社殿に腰かけて森を見つめる様子が目に浮かびます。今も作品づくりで行き詰まったときは、近所の自然を求めて散歩に出かけるのだとか。元々絵を描くことが好きだったという大石さん。陶芸と絵、そして自然。好きなものどうしを組み合わせて、誰にも真似できない世界観をつくり上げています。

 

■やさしさの杜 動物たち

 

20cmほどの絵皿です。ちょっとしたお菓子を入れたり、インテリアとして飾るのも良いでしょう。





 

■作り手 陶の杜(幕別町)




大石さんが陶芸に出合ったのは23歳。養護教諭として働いていた頃のことです。「年に一度、学校にある小さな窯で陶芸をする機会がありました。土を触ると気持ちが良いし、ひとつの作品をつくり上げるまでの工程が楽しくて。1人で黙々と作業をするのも向いていました」。すぐに近所で陶芸教室を探した大石さん。ちょうど東京からやって来たばかりの師匠、秋桜窯の佐藤二三子さんに出会います。大石さんにとって陶芸の仲間は年上の先輩ばかりでしたが、和気あいあいと楽しみながら、なんと9年にわたって、毎週土日のどちらかは秋桜窯に足を運んだそう。気づけば師匠から「もう教えることはない」と言われるほどまで腕を上げていました。

しかし結婚を機に一旦、陶芸から少し距離を置きます。4人の子育てに追われて、あっという間に15年。自宅を新築するタイミングで、自分の窯を持つことを決断。そのとき末娘はまだ3歳。一般的にはもう少し子どもが大きくなってから、という考えもあるでしょう。けれども、やりたいことを実行するのは、歳を重ねるほど難しくなるものです。時間や環境を理由にしたり、ウジウジと自問自答してブレーキをかけてしまったり。大石さんにも50代、60代になってから窯を持つという選択もあったはず。そんなとき頭を過ぎったのは、57歳で亡くなってしまった父のことでした。人はいつか死ぬけれど、それがいつなのかはわかりません。「悔やんで死ぬのは嫌だなと思った」と大石さん。家族にも背中を押されて、窯を持つことを決めました。

 

■商品詳細


商品サイズ:縦約21×横約25cm

備考:手づくり品のため、掲載写真とは多少異なる場合があります。

 

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