レオさんの鉄のインテリア

「金属工芸家・彫刻家」。藤沢さんの名刺に書かれた肩書きを見ると、なんだか硬い印象を受けてしまうかもしれません。けれど、実際に工房で見せてもらった作品はどれも、その字面からイメージされるような硬さとは無縁。不思議なことに、堅牢なはずの鉄が、しなやかさを纏い自由に躍動しているかのように見えるのでした。

鉄ならではの繊細な立ち姿

荷重のかかり具合によってやわらかく床にフィットする、美しいスツールです。頑丈さを極めるのでなく、あえてやわらかさを求める。鉄という素材の強度と性質をよく知る藤沢さんだからこそ成しえることなのでしょう。ポンと床に置いてあるだけでサマになる、円と四角を組み合わせたような形は、デザイン性だけでなく座った際の心地よさも抜群。フレームのカーブが小さな背もたれのようにお尻をそっと支えてくれるので、安定感もあるんです。

スロウ48号掲載