矢野梅子さん(下川町)
オリジナルのうめこ下駄
長く歩いても疲れにくいのが特徴です。ジーンズなどの洋服に合わせてもおしゃれ。
毎年春には新作が揃います
下川町で「食事処さがの」を営む矢野梅子さんは、「趣味で」というと、その趣味の域はとっくに超えているのですが、下駄の台作りから鼻緒制作、台座への絵付けまでを一人で手がける木工作家でもあるのです。スロウ創刊の頃から人気の「うめこ下駄」は、食堂の仕事が少し楽になる冬の間に梅子さんがせっせと制作したもの。部屋ひとつ分ほどの豊富な布コレクションの中から布を選んで、まずは鼻緒を仕立てます。その柄からインスピレーションを得て、シナの木の台座に絵付けをしていきます。赤、ピンク、オレンジ、青…。どれも華やかな彩りに満ちていて、浴衣ならずとも洋服で楽しめる手軽さもあります。
梅子さんの下駄が歩きやすい理由
約10年間の下駄制作の間に、少しずつ改良されているのが梅子さんのすごいところ。着地の衝撃を和らげるゴムソウル、鼻緒がくい込まないように低くしてあるかかと部分、足運びをスムーズにするなめらかなカーブ。自身も毎日下駄を履いているからこその心遣いです。
商品名は編集部スタッフが命名
うめこ下駄のひとつの魅力、それは柄や色にまつわる独特のネーミング。担当編集者が下駄とにらめっこしながら付けるそれは、編集部の伝統と言ってもよいでしょう。毎年新作が届くたび、悩みながらひねり出す作業も楽しいもの。「春萌えマホガニー」「初恋ネイビー」など、その名前にも注目してみてください。