さらべつチーズ工房(更別村)
10ヵ月寝かせることで開花した、どこにもない深い味わい
穏やかな表情の奥に計り知れない探求心を潜めている、野矢敏章さん。
移住した地に師匠がいた
さらべつチーズ工房で生まれる魔法のような逸品『酪佳』。このチーズに魔法をかけているのは、更別村の風土と時間。何しろ酪佳は10ヵ月以上寝かされて初めて世に出ることを許される、長期熟成のチーズなのです。代表の野矢敏章さんは大根農家。適地適作に勝るものなしという答に辿り着き、十勝へ移住。チーズづくりを始めたのは2005年冬のことでした。村のチーズづくり講習会で出会った講師が、後に野矢さんの師匠となります。
唯一無二のハードチーズを目指して
野矢さんと妻の三知子さんの挑戦は初めからハードタイプ一本。チーズ工房が多数ある十勝でどこにもない味を追求し、常在菌での熟成にこだわりました。「まず3ヵ月。半年置いたらかなりおいしくなって、10ヵ月置いてみたら、…これは! 他では売っていない味! じゃあ最低でも10ヵ月置いて出そうって」。納得いくまでとことん極めなければ気が済まない野矢さんの気質が、唯一無二の味を生み出したのです。