共働学舎(新得町)
熟成庫に眠るのは作り手の想い
代表の宮嶋夫妻。
何もない更地から始まったチーズづくり
共働学舎新得農場の宮嶋望代表とメンバーが、新得町の山の麓に住みついた時は、人と牛だけ。他には何もありませんでした。水道を堀り、廃棄されたプレハブで暮らしながら家を建てました。チーズの熟成庫も、札幌から持ってきた札幌軟石を削って積み上げて造りました。今では揺るぎないナチュラルチーズのブランドとなった共働学舎新得農場だが、そもそもチーズづくりが目的だったわけではありませんでした。
関わる人々の想いが詰まったチーズ
「はじめの頃、牛乳をしぼっても成績が悪いという理由で出荷できず、捨ててしまっていたんです」。あまりにももったいないからと宮嶋さんが始めたのがチーズづくり。しかしようやくできたチーズをとあるレストランに持っていくと、「こんなものはチーズじゃない」と門前払い。「絶対においしいチーズをつくってやる」と宮嶋さんの心に火がつきます。以降、レストランオーナーの厳しい舌も手伝ってチーズの質は向上していき、今やさまざまな賞を受賞する逸品へと成長したのです。