斜里窯(斜里町)
北の風土が香る、土地に根ざした陶器
初代窯元、中村二夫さん。山口県で修業した後、斜里窯を開きました。
納得できた土づくり
初代窯元である中村二夫さん。一土、二窯、三作りと修行時代の萩(山口県)で得た教訓は今も作陶の原点になっています。山口県で修行した後、斜里窯を開き名寄と留辺蕊、これらの土を共に使うことで完成したのが、道産土100%の「蝦夷焼締」。素朴で温かな土味を見事に表現することができたのです。自分の納得のできる器を100%北海道の土で作ることが悲願だった中村さんにとって、焼締の完成は本当に意義深いことでした。
受け継がれる手法
斜里窯では、まず土を精製するところから器づくりが始まります。土とじっくり向き合うその先に、中村さんが求めるものづくりがあるのです。長男のしんさんへと代替わりした現在も、それは変わりません。ろくろで成形し、伝統的な登窯を使って、薪を燃料に器を焼き上げます。炎、煙、灰。この3つが、器に独特の色味や質感を与えてくれます。焼成中の火力調節も、すべて人の手で。繊細な手仕事があって初めて、温かみあるザックリとした土味を持つ器が出来上がるのです。