石橋農場(新得町)
丁寧な仕事が育む豊かな味わい
石橋農場の石橋健二さん。木と出会ったとき35歳の時、デジャブのような運命を感じたそうだ。
運命に導かれるように始めた、しいたけ栽培
石橋農場があるのは、険しいトムラウシの山々に囲まれた新得町。代表の石橋健二さんは35才の時に、この場所でしいたけ栽培を始めました。最初からしいたけを育てる目的で、新得に移住したといいます。原木栽培に使用されるミズナラの木に触れたその瞬間、「ずっと前から知っていたような、不思議な感覚」が身の内側から湧き上がってくるのを感じたのだと話します。まるでミズナラの木に導かれるようにして、石橋さんはしいたけの原木栽培を手がけることとなったのです。
おいしさを実現するための、終わりなき挑戦
しいたけをミズナラの原木で栽培するのは、想像以上に重労働。石橋さんはずっしりと重たいミズナラの原木を自ら3000本以上切り揃え、運んでいるそうです。その木に小さな穴を開けて菌を植え、温度、風、日当たり、においなどを考慮しながら、1年半もの間森の中で寝かせます。最適な頃合いを見定めてハウスへと運び、水につけて菌を呼び起こす作業へ。棚に並べて、しいたけが育っていく様子を慎重に見守ります。環境土壌学を学んでいた学生時代、そして原木しいたけ栽培に情熱を傾けてきたこれまでの経緯。その話を聞けば聞くほど、石橋さんが大いなる挑戦者のように思えてくるのです。