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コメ

「標津町」でツアー作りはじめました。(2/3)

前回までの様子はこちらをチェック↓
「標津町」でツアーを作りはじめました。(1/3)

Slow Travel HOKKAIDO(以下、STH)のコメです。
道東の標津町を舞台にしたツアー作りの様子をお届けする、ツアーレポの第二弾。

鮭番屋でおいしい鮭料理に舌鼓した後は、手作りのバードコールを持って、ポー川史跡自然公園の森へ。1万年前から500年前までの間に使われた竪穴住居跡を見に行きました。

 

1万年の時の流れを感じる

ポー川史跡自然公園は1万年前から人類が住んでいた住居跡が残っています。そして、それらを囲む自然にはたくさんの動物たちも暮らしています。オコジョやクロテン、運が良ければオオワシを見ることも。スノーシューをはけば、雪深い冬の森も、途端に最高の自然散策の舞台に。いざ、冬の森へ!

森を案内してくれるのは、鮭番屋でおいしい料理をふるまってくれた井南さんたち、標津町ガイド協会の方々です。

冬の森は、ひと目見ると静寂な空間が広がっている場所。
井南さんたちから、森に潜む動植物の姿や、数万年前の人類が住んでいた痕跡、特徴的な地形を教えてもらうことで、静寂だと思っていた森が、生命の息吹に溢れているとても豊な場所に見えてきます。

 

森散策に双眼鏡は必須!
視線の先には、幹に掘られた小さな穴が。モモンガの巣でしょうか?

森を進んでいくと、不思議と目が慣れてくるような。空に舞う小さな鳥の姿や、動物の足跡など、たくさんの「痕跡」を見つけては「これはなんですか?」と井南さんたちの教えてもらいます。竪穴住居跡は、穴の大きさで、住んでいた人の数やその用途までわかるそうです。こちらの小さい穴は、今でいうところの一般住宅。奥には倍以上ある大きさの穴もあり、集会所として使われていたそうです。

スノーシュー探検はおよそ1時間ですが、あっという間。
またひとつ、豊かな標津の自然を知ることができました。

 

「雑魚」に価値を

鮭に惹かれて訪れた標津町。鮭を捕らえる人たちにも会いに行きました。標津町の漁師さんです。訪れたのは、2月下旬。鮭漁の見学は叶いませんでしたが、新しい標津の取り組みに出合いました。

訪れたのは、漁に使う道具の整備や、魚を一次保管している場所。

標津町の漁師、林強徳さん。町内の漁師で組織される標津漁師会の中から、さらに有志で「波心会」を立ち上げました。波心会の活動のひとつには、漁協に卸した魚を買い取り、その魚に「神経締め」という加工を施して流通させる活動があります。死後硬直を遅らせることが出来るため、身がより引き締まり、鮮度を長く保つことができる神経締め。通常の数十倍から数百倍の価値を生み出すのだそう。「近海でよく獲れるのに、価値が低いからと「雑魚」と呼ばれていた魚に、なんとか高付加価値を付けて流通させてたかった」と林さん。

既に神経締めを習得し、自らの店舗で販売していた根室市の松田英照さんを講師に呼んで加工方法を習得しています。

松田さんは本業の美容師(!?)の傍ら、鮮魚卸店「根室喰 nemurock」として活動しています。
魚の活きを蘇らせる低活性活かし込みからの、放血処理と神経締め。魚を獲った後に、こんなにも丁寧に加工しているのかと、感激してしまいます。

いったいどんな味なんだろう・・・と気になっていた時

神経締めしたカレイのお刺身を、昼食に出してくださりました。

違いが分かりやすいようにと、処理していないカレイの刺身と食べ比べていただきます。口に入れて、ひと噛み、ふた噛み。食感と味覚に集中するように、皆だまってそれぞれを噛みしめていきます。「・・・身の引き締まりが全然違う!」誰かのそんな言葉に、おもわず激しく首を縦に振ってしまいました。

この日の昼食はカレイづくし。フライに、煮付け。

他にも、ホタテのバター醤油焼きなど。標津漁師の奥さんたちで作る会「標津AMIE(アミ―)」に皆さんが、用意してくださいました。漁師の男たちが獲った魚介を、港で待つ女たちが料理する。なんて素敵な町なんだろうという感動も、おいしい料理と一緒にじわじわ広がりました。

 

海のお守りを作って、氷で閉ざされた海原へ

お腹もふくれて、何か身体を動かしたい気持ちになったところで、次に向かったのは標津町学習センター「あすぱる」。

北海道の畑や森で、運が良ければ見つけることができるあれを使って、海のお守りを作りました。

教えてくださるのは、これまた標津町ガイド協会の小笠原正一さん。

笠原さんが手に持っているのが、あれです。
そう、エゾシカの角。

鹿が川を渡る様子から、水難除けのご利益があるとされる鹿の角を使って、アクセサリーを手作りしました。「エゾシカは毎年角が生えるから、枝分かれの数を数えると、何歳のエゾシカの角なのかわかるんですよ」と小笠原さん。わたしたちが使ったのは、5歳のエゾシカの角でした。

小笠原さんはじめ、ガイド協会の方々が手取り足取り加工方法を教えてくださります。

ずしっと重みのある鹿角。のこりぎで切ると、ほんの僅かに摩擦で焦げた香りが。ぽろぽろと白い粉を出しながら、好みの大きさに削っていきます。角の先端も良いけれど、途中で輪切りにするのもまた味があるなぁ。

空洞は血管が通っていた証拠なのだとか。紐を通す部分を工具であけます。生き物の一部だと思うと、ハンドルを押す手にも緊張が走ります。出来上がったのがこちら。

どうですか?贅沢にも鹿の角先のひとつを使わせていただきました。この角先に1年分の成長がこもっています。小さく切ると、重厚感のある見た目とは裏腹に、重みはほんの僅か。

ちょっぴり強くなった気持ちになったところで、厳冬期にしか歩くことが出来ない、氷が閉ざされた海原へ向かいました!

加工もしていなければ、白い背景でもないですよ?

ただこちらの写真はちょっと盛りすぎですね、湯川カメラマン。笑
実際の風景はこんな感じ・・・

太陽の光がが雲のベールぼんやりと広がって、なんとも幻想的な景色。

ここは別海町の野付半島。訪れた人が思わず写真撮影に夢中になってしまう、冬にだけ現れる氷平線です。

日本最大の砂嘴であり、夏にはホタテやシマエビが獲れる漁場でもあります。本格的な冬が到来する12月から湾の海面が凍りはじめ、厳冬期の2月には、人が乗ってもびくともしないほどの堅い氷に。冬以外は海なので、民家や森などの視界を遮るものがなく「氷平線」が出現するというわけです。

一面の白い背景を利用した、トリック写真の撮影スポットとしても、人気上昇中です。

【題:バケツ山の上に集う、ちいさな人】

野付半島の氷平線を見る拠点となる野付半島ネイチャーセンターでは、スノーモービルに引かれるソリや、スノーシューハイクなどの体験も用意しています。それぞれで氷平線を楽しむのも良いですが、ガイドやツアーに参加して、氷平線ができた理由や、夏の漁のことまで聞くと、またひとつこの場所への興味が深まります。

今回はここまで。

次回は、コメが大好きなあの場所へ行きます!

お楽しみに!

文責:コメ(飯嶋) 写真:湯川

※オフショット

ポー川史跡自然公園でやった大人の本気雪合戦。
「毛糸の手袋だと、雪玉が作りにくい!」と、最初から素手で参戦しました。

野付半島からの帰り道に出合った、オスのエゾシカ。
ばっちりとカメラ目線で決めてくれました。

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