「どうして、ランプばかりを作っているんですか?」
それも、スタンドタイプではなく吊り下げる仕様のランプばかり。天井に連なって輝くステンドグラスのランプを見つめて、自然と湧きあがってきた疑問でした。
「見上げるという行動に大切な意味があると思うんです。こうやって上を見上げていると、そんなに悪いことは考えないと思いませんか。落ち込んでいるときでも、もうちょっと頑張ろうかなって気持ちになれる。その姿勢が私自身の支えにもなっているんです。常に見上げていたい。下を向かないで。だから見上げるランプが好きなんですね。
そして見上げて、むこう側と合わさる偶然の色がいいんですよ。常に見上げてもその一瞬しかない、雲みたいな感じですよね。だから、上を見上げて下を向かないように」。
時に投げかけられる心ない言葉に挫けそうなときもあるけれど、そんな時はランプを見上げ、クマガイマキさん自身が何よりその美しさに慰められてきたのだと、話してくれました。
人はなぜ、見上げることで勇気を得られるのか。それは、頭上にある太陽や電球が決して裏切ることなく、万人を平等に照らし、影を作りだしてくれるからかもしれません。影は、今ここにあるこの存在を認めてくれるものだから。そう考えながら足元に目をやると、クマガイマキさんが好んで使う白熱電球の温かみのある穏やかな灯りが、特に濃い陰影を生み出していました。(な)