家具工房旅する木の須田修司さんの前職は大手カメラメーカーの開発部でした。その内容は、目まぐるしく進化する技術に追われながらの『世界最小・最軽量』カメラの開発研究。ひとつのプロジェクトに取り掛かると徹夜、徹夜の毎日です。ところが、そんな生活で身体を壊す先輩を間近に見るうちに「自分の身の丈にあった仕事をしたい」と考え始め、大好きな「北の国から」に憧れて学生の頃から通っていた北海道への移住を決意。仕事は、以前から関心のあった家具作りを選び、専門学校に入学して一からその技術を会得したそうです。
そのため須田さんの工房の立ち上げは人より遅くなったわけですが、そうした異業種での経験は家具職人となった今も身体に染み付いているようです。「カメラの世界はものすごくミクロなんですよ。何ミクロンの世界。だから例えば、0.数ミリなんていうのは僕にとってものすごい差なんですよ。だから僕は家具を作るとき、0.2ミリ以上の誤差は必ず直します。0.1ミリだったらまだ許せるけど、0.2ミリは許せないですね。」
これまでの経験によって培われた須田さんの繊細で丁寧な技術によって、家具工房旅する木の家具は生まれるのです。(な)