丸顔で優しげな宍戸社長は、初対面から旧知の仲のように接してくれる壁のなさが第一印象としての魅力。しかし、お話を聞けば聞くほど出るわ出るわの知識の幅や深さ、そしてカリスマ性とも言えるような豊かな感性と鋭い洞察力には感動を禁じえません。
士別市の朝日町の三栄地区で農業を営んできた宍戸社長ですが、もう10年以上も前から自社の農産物や加工品の販路を、自らの足で開拓してきたのだとか。お話を聞いていると、全国規模の百貨店だけでなく、有名ホテルのシェフやパティシエ、料理研究家さん、そして同じ北海道内の生産者さんたちとのビジネスのコラボレートの話がポンポンと飛びだし、その人脈の広さと手がけていることのスケールの大きさ、さらには語り口のテンポの良さについつい引き込まれてしまうのでした。
「自分が思うのは、農業者のステージアップね。自立できる農業者をどうやって作るのかと。そうしたことを次に繋げるときに、今の系統(農協や行政など)ではいささか頼りがないし、そこに頼っていてもダメだし。自分の足で立って生きていくためにはどういう手法でどうしたら良いかっていう勉強をずっとやってきたんだけども、基本的に自分の人生の中でモノを作ったらさ、一番大事な所を人に任せておいて幸せを得ようっていうのはまあムリだわな」。
今はビジネスとものづくりを学びに通ってきている若い農業者の「お弟子さん」が3人ほどいらっしゃるのだといいます。また、宍戸社長が「仲間」と呼んでいる優良な生産者同士の強いネットワークは、今後さまざまな形で農業の発展形を見せてくれることでしょう。
最後に、その仲間たちとは何で繋がっているんですか? との筆者の質問にサラリと出た宍戸社長の答えとは「思想だな」。それって本当にカッコイイことだと思いませんか!?(W)